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ソレイユのこどもたち [2011年]

私も知ってるこの人。
羽田空港の海っぺリに船上生活者として沢山の犬を飼っているという人ニュースで観たことがあった。
その人を追った作品である。


掴みはOKだ。
爆弾の作り方をにこやかに説明する被写体の高島さん。
ある意味興味深いおじさんだよね。
普通知らないよね。
彼は、モーターボートの修理をして生活をしているのだが、家は船上なのだ。

日々、市、警察に追われている。
一般市民からも迷惑行為を受けている。
小学生の子供が高いところから船上の高島さんに目掛けて石を投げるシーンが撮られていた。
とてもさむざむしく感じるシーンだった。


結局は、壊れたモーターボートを高島さんに修理してもらうという表向きで
それは粗大ゴミを高島さんに渡しているということなのだ。
彼は、川のパトロール隊。
何がどこにあって、台風が来ればロープを縛り管理してくれているが、
誰からも感謝はない。
市や警察でも把握しきれない川辺の船について把握している。
それを頼りに、市や警察が近づいてくるが、彼は「知らない」と突き放す。
人の迷惑になるのがいやなのだ。

そんな高島さんの人間性を確実にこの作品では捉えている。
私はこの作品を観終わったあと、確実に高島さんのそばにいた。

犬とおじさんの映画西田敏行さんが出ていたヤツだけど、アレに似た最後となる。
人が捨てた犬を高島さんが面倒をみているのだ。
それも愛情込めて本当の飼い主以上の愛情を注ぐ。
えさもやるのだ。

複雑な社会だ。
とても複雑な心境になった。
税金を納めないからダメな人間なのか?
犬を捨て、粗大ゴミを捨てる人間はダメじゃないのか?

そして改めて高島さんの世代60代前後の人達の博識、
大田区の町工場の底力、物に対する愛情に感動する。


オールFIX撮影で、完璧に監督の存在が消されている。
高島さんの語りも、もはや独り言のようだ。
撮影インタビューで2年。
本撮で1年かけた作品。

監督しての心構え、スタンス気になる事沢山だ。
監督は、同じ学校の知り合いだ。
映画を観終わった後見つけて質問攻めにしてしまった。
知り合いを差し引いても、この映画祭で気に入った方だ。

テーマは地味なれど、とても立派なドキュメンタリー作品だ。
コレが日本の一片なのだ。





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日本 2011
奥谷洋一郎監督

http://www.yidff.jp/2011/program/11p2.html#t5
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