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その男、凶暴につき [1989年]

北野武監督の映画を観るのは、心の準備がとても必要である。
なぜなら暴力シーンが多いので、それに堪えられる心が必要であるからである。
それに、お腹の中をえぐられる様な感情を感じるからである。
その感情がなんなのか、、、怖くていた。

今回まず過去作品からこの作品を選んで観てみた。


暴力シーンはもちろんあった。
やくざ映画は、好きな方である。
ただ、北野監督の映画はそれよりも乾いている。
感情が静寂の中決定されて、行動される。
あの無音の間が長い。
だから怖いのだ。


主人公は、
簡単に悪い人間であると言い切れない。人間は多面体だから。
どうやったって優しさとしか思えない一面がある。
刑事役ということもあって、正義も見え隠れしているような気がする。
しっかりとした信念のある男である。

どうしようもない不条理。
どうしようもない状況の中、生きるしかない。
生きるのは楽しいだけでは済まされない。
人間は明るい部分だけではないのだ。
こういう人間も、粛々と生きている。

そして、人間はとてもシンプルで人の一生は簡単で、
地球上でちっぽけなチリみたいなもので、そしてそれは全く関係なく他のチリが生まれて行くその連続性だと。
だからこそチリはチリで意志をもっていきようと言われているようにも思えてくる。

人を殺す、殺されるとは、結構リアルなのではないかと思う。
淡々と勧められる行為なのではないか?とも思う。

そして、さっきも書いたように、間が怖い。
そしてスタートしてから、必ず「静」があってからの「動」に行くのは、
わざとなのか?
タイミングを外された感じがして、独特の個性を感じる。

言葉が少なくても、怖さ、優しさ、悲しさ、、、感じるもんだよな。

他の作品も見れそうな気がして来た。
白竜、川上麻衣子、岸部一徳、、、、他の役者さんたちも、最高だった。

そして音楽も印象的。
やだ、結構好きかも。笑


追伸
刑務所に入った事のある人って、刑事との関係性や檻の中の描写が半端ないと思っている。
聞いたことはないけど。憎悪ってヤツだと思う。そして冷静でもある。





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北野武監督
1989年 日本

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id87915/
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