SSブログ

アナ・アラビア [2013年]

「キプールの記憶」のアモス・ギタイ監督が、イスラエル・テルアビブ郊外のヤッファ地区とバットヤム市の境界にある古い住宅地で暮らす人々の模様を、全編ワンカットの長回しでとらえた。2013年・第14回東京フィルメックス特別招待作品。

と、あります作品を観に行きました。

イスラエルに住むアラブ人のところに嫁いだユダヤ人を取材に来たジャーナリストのヤエルさん。
それをある空間で85分ワンカットで撮影している。
4時から5時半の間に撮影されたとか。


どうやってみたら楽しめるか?というと、やっぱりカメラがどうしているのかを
考えるといいでしょうね。ついついどこにカメラは逃げてどうやってつなげてるのか?
最後の俯瞰へいく感じは何ども練習したのではないかしら?と思ってみたりしますね。
緩やかに進んでいく素晴らしいカメラマン。
夕暮れを狙ったのもわかる気がします。

そんなカメラに注目しながらも、内容は重要で、会話は哲学的でパラリパラリと。
アジアの果てからしたら、このイスラエルの問題はとても遠く感じて、
私の見てきた作品ではいつでも争ってる内容が多かったりしますが、
この作品では、争いの中でも、愛を育んだアラブ人とユダヤ人の二人の話しであって、
戦争が起きる前はひょっとすると人種は違えどお隣どおしで仲良く、
ひょっとすると戦争が起きてからもお話していたかもしれないなぁと
思ったりするわけです。


いろいろな苦労があったことでしょう。
しかしずっとここで暮らす決断をした。
ユダヤ人がアラブ人に改宗し、その土地に住む。
いろんな人生がありますね。
この土地のことは、この土地で起こったことは計り知れない。。。

あまり重くなく、こういった事実をしることができる作品でもありました。
美しいカメラワークです。





---


アモス・ギタイ監督
2013年 イスラエル・フランス

http://filmex.net/2013/ss06.html
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

祭の馬 [2013年]

東京フィルメックスで上映されていたドキュメンタリー作品。
祭の馬。これはしびれた。
知り合いのカメラマンさんもスタッフで関わっていたのをクレジットで知った。
通りで、会場にいたはずだぁ。

福島県相馬市に住む馬のお話。
相馬野馬追」という歴史深いイベントが相馬市で行われていることを知らなかった。
とても立派なお祭りなのね。
「相馬」という土地にも「馬」の文字があることから昔から馬と共存してきたのだと
想像がつくね。


原発から20kmの距離にある相馬市。
そこで生きてきた馬たち。
3.11の津波に耐えて数頭は残っていた。
そんな辛い映像から入っていく訳で。
後、危険地域に指定され馬を置いていかなくてはならなくなった。
厩舎主はありったけのエサを置きてきた。

そして二週間後行くと、それでも数頭生き残っていた。。。
その中の一頭が主人公ミラーズクエスト。


パンフレットとは裏腹に、とても重みのあるお話です。
未曾有な事故、あの日から現在に至る彼らの生き方を見ました。

上映後監督も説明されていたけど、前半は
報道ドキュメンタリー風で淡々とカットが続いていく作風だったのに対し、
後半は監督の情を感じるなめらかな仕上がりになっていたような気がした。

馬の生き様。
厩舎の方の想い。

一番引っかかった言葉は、「津波を経験した馬は、角がたってるな。」
角?だったか自信がないけど、気が立ってるようなことを言っていた。
怯えて気性が荒くなっているようで、お祭りで人がうまく乗り越せるのかな?とも思えた。
そうだよね、馬だってさ、あんな津波がきて、鎖でつながれていてさ、
逃げられなくて耐えるだけで、記憶に残るよね。
想像するだけで泣けてくる。。。
人間だってそう、馬だってそうだ。



監督がすごく考えているなぁと思ったのは、
作品に使われている曲なんだけど、すべて原発に関する彼の記憶に基づいた曲をselectしていること。だから私たちには説明をされないと理解できないんだけど、
世界を旅してきて、たとえば中国が核実験を行なっている内モンゴルとかを訪れた時に
向かう車中で聞いていたその土地の音楽を採用していたり。。。
そういうのっていいselectだよね。


そして、リーフレットにも載っていたキャッチーな言葉についても。
監督の中で、被爆するとこれから生まれてくる子供にも影響がでるかもしれないということが頭にあって、生殖器というものがとても重要な気がしたと説明されていた。
そうだ。そのとおりだ。
とても丁寧にその思いを説明してくれて、納得がいったというか。。。
(作品中でそれがわかると尚よいのかもしれないけど。。。)



作品もよかったんだけど、監督の説明する姿勢が大変見ていてうれしくなる作家さんだなぁと思ったのでした。


この厩舎にいる馬たちはもともとは、競走馬。
あまり勝ちがなかったり、ケガをしていたりする馬達はここで飼育される。
その後相馬野馬追に出たりする。その後は、食卓へと。

私が美味しいと食べている馬刺しは、大抵が競走馬だということも学びました。
この作品以来、「(命を)いただきます」食事の前に丁寧に言うようになりました。

主人公のミラーズクエストは4戦0勝にて競走馬であり、津波を生き延び、
局部にばい菌が入り、腫れれ上がっていても持ちこたえ、お祭りにでて、
元にいた相馬の厩舎で息を引き取った。


私は忘れないミラーズクエストを。そして何頭も亡くなった馬たちのことを。




------------
松林要樹監督
日本 2013年

http://matsurinouma.com/
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

私の名前は、、、 [2013年]

東京フィルメックスで上映されていた作品。
アニエス・ベー監督作品だけに、人が沢山来場していましたね。

これがフランス映画だよなぁと思える作品でした。
前衛的で、実験的でしびれました。
こういう作品最近全く観ることがありません。
上映されて嬉しいし、観ることができてよかったなぁと思います。

というのは、、、
内容は、父親が娘に対しての性的虐待から入ります。
そして娘は家出をするロードームービーなのです。
とても真面目なお話でしたが、

画角なのですが、4:3の画像の粗い映像が挿入されていたり、
つなぎ目のカットが3秒くらいの静止画で終わっていたり、
初めて作品を作る子供がしてしまうような編集をしたりしていします。
それが味わいとなってこの作品は、ある意思を持って編集されているんだろうと
思わずにはいられませんでした。
まさか、技術力がなくてこんなことには、あのアニエス・ベーがするわけがない。
周りがそうさせるわけがない!笑
そして、森の中で合った白い舞踏家二人の出現や、キャンプでに出会い方。

それで前衛的実験作品と言ったのでした。

このちょっと違和感のある感じが嫌いじゃないんですね。
どうしてそうしたんだろう?と作品に没頭する傍らで自問自答していながら観ていました。
監督はどうしてこうしたんだろう。。。?とか考えるのが好きです。

しかし細かい説明的描写は省かれ、淡々とした役者達への演出であり、
ぶつぶつカットされて進んでいく印象。
これも、私は好きなんですね。なめらかな編集よりも荒っぽい、素っぽい出来が余計に
感情を想像させるからです。

人が泣いていたらもらい泣きしますけど、そういう余計なひっかかりを排除しているところが好き。
観客を試している感じ。


又戻りますが、作品内容としては、導入からショッキングで、
オヤジが許せません。
お母さん役は、「ルルドの泉で」に出てきたシルビー・テステューさん。
いいわぁ。やっぱり気になる女優さんです。
子供が健気で、なんとかしてやりたい気持ちが一身でしたね。
そして、ダグラス・ゴートン監督が俳優として運転手約ででていましたね。
彼がとても優しくて、本当によかったです。
彼の優しさでこの作品は成り立っているんでしょうね。
彼を幸せにさせてあげたかった。。。


映画が終わったあと、世の中そう簡単にはいかないエンディングに納得がいかなくて、悶絶してました。
叫びそうになりました。
いや叫びたかった。

私は好きな映画ですね。

-----------------------
アニエス・トゥルブレ(アニエス・ベー)監督
フランス 2013年

http://filmex.net/2013/ss04.html

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

風立ちぬ [2013年]

ついにそんな日が来てしまったなぁ。
宮崎監督の最後の作品となってしまいました。
そんな感じは数年前からひしひしと感じていたりして。
とても悲しいですね。


銀座で用事があり、ふと時間が空いたのでまだまだ公開ど真ん中だと言うのに劇場で鑑賞することにしました。
(通常混んでいるのがいやで、終わり間際に行くことが多いんですが。それでもののけ姫はほぼ貸切で見れました。笑)

きっと私個人的に泣きたかったんだろうなと思うほど、号泣してました。
虹が出てきただけで、ハンカチで口を塞ぎながら嗚咽を隠すという、、、。
今思えば、アホですね。

がしかし、風立ちぬには私にとってはツボの部分が多数あって、泣き甲斐がある作品でした。

戦争、3.11、好きな人の死、純粋な心、一生懸命に生きること、夢を追いかけること。などですね。。。


私はあまりジブリ猛烈ファンではないのだけれど、それでも他の作品と比べると良く観ている方ですが
この作品は特になんですが、、、
宮崎監督の渾身の想いが込められているなぁと感じてました。
とてもシンプルな想いというか。。。

上に挙げた内の後半の方でしょうかね。
戦争に加担していたわけじゃなくて、
設計者としてのプライドを持って夢を形にした。
二郎さんの誠実な姿勢。

たまんないなぁ。。。

奥さんの献身的な想い。
二人の、お互いを思いやる気持ち。
あの時代でのやるせなさ。
スカイプやら携帯やらあれば、すぐに連絡がつくだろうに、、、
連絡が取れない状況のなかでの信頼関係。。。

こうなってくると便利ってあんまりいいもんじゃないのかも?とか思えてしまいますね。笑


池の前でのシーン。菜穂子さんの恥じらいの表情。。。
きゅんきゅんしてしまいました。

いいと思います。
とてもいい作品だと思います。
はい。

カストルプ結構好き。





-------
2013年 日本
宮崎駿監督

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id344584/
コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

オズ はじまりの戦い [2013年]

英語のタイトルは、Oz: The Greaat And Powerful

主人公の「嘘つき魔法使い」が誰だっけなぁって考えていたんだけど、思い出した。
127時間の腕を自分で切り落とした主人公のジェームズ・フランコさんではないですか!好き好き!

今回の作品では、ジョニー・デップみたいな役どころで登場してきた。
(本人はそう思われるのは本望じゃないだろうけど、妙にジョニー・デップが似合いすぎてしまって私の中ではそのイメージイコールジョニーになってしまっている。)
女好きの嘘つき魔法使い。でもかっこいいから許す!みたいな?

ユーモアある作品となっていて、最後の彼の魔法を真似てみたくなったよ!
できるのかな?
煙に投写して映し出す技法。やってみたいなぁ。^^

単純なストーリーだけに、画づくりが重要になってくるファンタジーの世界。
そして、魔法使いなんだけど、映画の作る側の演出を大事にしているのが
何点かあったかな。投写するとか、一枚の写真から動き出すとか、最後のキスシーンとか、、、
監督が映画ってすごいんだよ~魔法だよ~って言っているような感じがしたな。
ほんとその通りなんだけどね。

悪い魔女の妹さん、なんか本当のお姉さんに騙されて、嘘つき魔法使いに騙されて、最後は呪いの顔になっちゃって、なんだか不幸だったわね。可哀想。
改心して元通りになれるといいのにな。
素直な心持っていたはずなのに。お姉さんはNGだけどね。^^




---------------------------------------------------------------------------
サラ・ライミ監督
2013年 アメリカ

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id343507/

共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。