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ダンサー イン ザ ダーク [2000年]


「なんとも辛い映画なのよ。。。」
と前評判を聞かされてから借りた作品。

ビョークが演じた映画ということで覚えていたが、内容までは知らなかった。
以前別の作品で絶望である映画の話で盛り上がったことがあるが、
これはその一つというよりかは、不安定で大変疲れる映画だったように思う。
ストーリーは消してハッピーエンドではない。


先程も言ったが、見ていてとても不安定な心境がずーっと続いて大変疲れてしまった。

それはなぜだろう?
ビョークが演じるセルマの底知れぬ不安からくるものと
カメラの微妙な揺れからくるものが大きいように思う。


セルマは悩みを人に話したりしない。
ひたむきに息子の病のためにお金を稼ぎ手術代を稼ぐ毎日。
それ以前に自分も失明してしまう恐怖を感じながら毎日を送っている。
それがセルマの少ないセリフから、表情から波動によって観ている私に感じさせてしまう。

ビョークは、大変アジア的な表情をしていると思う。
だから余計にシンパシーを感じてしまうのか?
とても辛そうに思えてくる。。。

その中でも彼女の、苦しみの中にも小さな幸せを見つけるという意味では生きる希望となったのが
ミュージカルであった。
音、リズムさえあれば、辛いことを逃避することができた。
そうして今までもやってこれた。



ストーリー後半の流れは驚きに満ちている。
信頼していた隣人(警察官)に裏切られ、お金を盗まれ、
自分は佳き人として死にたい殺してくれと、セルマに助けを乞う。
セルマはよくわからないまま、それに従う。

そして彼女は、東ヨーロッパの出身ということからなのか、
裏切られた警察官の隣人との秘密でさえも貫き通しており、
かたくなに真実を語らない。
息子の失明の件も同様に。

これが東欧の思想なのかとも思えてくる。





心の叫びをミュージカル風に歌で表現するシーンが何度もある。
急に展開が変わり、違和感があるけれど、
苦しい現実から逃がしてくれているようにも思える。

確かにこんなふうに現実逃避してしまうことも私にもある。
それをこうして表現したのかと思うと、興味深い気もする。



そして、カメラ。
初めからカメラが微妙に揺れていた。
内容に夢中になるとそんなこと気にならないのだが、
導入部分ではその揺れが気になって内容に身が入らなかったほどだ。
それも彼女の心情を表現しての技であろう。



演出や表現が一風変わっているように思った。
随分残酷な描写もあった。
そしてかつて見たことがあるような気がした。
あまり見ない国の作品だろうとは思ったけど、、、デンマーク。

あ、未来を生きる君たちへもデンマークだったなと思い出した。
あの映画も、厳しい現実を突きつけられる作品だった。
その中にも強さを表現している。

なるほどね。
デンマークってそういう感じなのかもしれないね。





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ラース・フォン・トリアー監督
デンマーク 2000年

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id162566/
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BROTHER [2000年]

ばかやろう。
ふざけんなてめぇ。

憎しみもあれば、愛しさもある。


極道ってこういう人たちのことを言うんだろうな。
なーんて思うように出来てる作品。
極道と、ヤクザは違うんだよね。
日本の極道の義理人情はスッキリ、シンプルなものだと思う。
それが外人にも伝わったかな?
伝えたかったかな?
だからあえて海外で撮影したのかな?
そんな深読みしてしまうのですが、たまたまかな?

BROTHERっていいタイトルだったね。
血が繋がった兄弟と、契りの兄弟。
いいタイトルだなぁ。
流石だなぁ。

余段だけど、加藤さんを見ると、藤原紀香を思い出してしまうのだけど、
幅の広いいい俳優さんだよね。
アンフェアも出ていたしね。

武の映画に登場する俳優さん、みんなカッコイイ味のある役者が多いなぁ。うっとり。


山本とデニーの遊び方、いいよね。
昭和の男の無邪気さ、子供っぽさが見え隠れしていたりする。
ちゃんばらやってる延長戦に、今生きてる感じすらするもの。


デニーは逃げられたかな?
うん、私は逃げられたと想いたいけど、ダメだろうな。。。




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北野武 監督
2011年 日本/イギリス

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id162901/
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ケイゾク Beautiful Dreamer [2000年]

やっぱりケイゾク好き。
中谷美紀さん好き。
彼女の歌も好き。
もう大好き。

同じ感じの、TRICKよりSPECよりやっぱりケイゾクが一番おもしろいと思う。
本当に私は愚かだと思うのですが、監督さんが同じ人だと知らなかった。
でも似ているなと思っていた。
よく考えてみればあそこまで似ているんだから同じ人だと気づいても良さそうなもんだ。
というか同じ人だと気づく事に興味がないんだな。
監督ありきより、作品ありきと言っておこう。よし。なんとかつじつまがあったような、どうかな?^^

ドラマの内容はほぼ忘れていたけれど、ケイゾクは、
なんか薄暗くって、妙で、でも惹き付けられた。
途中途中の小技が、ちょうどいいくらいな気がしてる。

そしてちょっとぐっとしてしまう様な、情も感じられるし、
渡部篤郎との感じもキュンとしてしまう。

演出が、きっと丁寧なんだよな。
中谷さんの演技も最高なんだよな。

ケイゾクドラマで又見たい。
振り返ってみたいと思うドラマや映画ってそうそうないと思うけど、
やっぱいいなと、ずっと後になっても思える作品のようですね。
トリックをわかるまで、わかった後、どちらもおもしろい。
持って行き方が素敵。


でも、テレビと映画のタイアップはどうかなぁ。。。
好きじゃないかもな。


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2000年 日本
堤幸彦監督

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id159857/


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夜になるまえに [2000年]

この作品は結構最近のものなのね。。。2000年だって。
なんか見た事ある人だなと思ったら、主人公ハビエル・バルデムはノーカントリーに出てた人だ。それにあれ?と思ったらジョニー・デップも二役で出てた。

キューバ関連の映画ってどれを見ても、こんな感じーふわふわした映像のつなぎ出来事と出来事の間の接着剤が詩的で断片的ーに仕上がるのは、なぜだろうか?とずっと考えてたんだけど、しっかりと地に足つけて世の中を客観視できている人がいなかったんじゃないかな?誰もが革命という言葉に踊らされ、
浮き足立っていた為に、実際キューバそのものもこんな状況下だったのかもと
思えて来たのだ。

そして南米のパリと言われていただけあって、表現がフランス的な気がする。(雰囲気ね。)
詩的な表現のナレーションが私には難しくて、頭を緩めてみないとついて行けなかった。たいていキューバを題材とした映画はそんな感じで緩めてみて楽しむ感じだ。


先ず、観終わって第一の感想は、
世の中、何も悪いことがない。ということだった。
ホモセクシャル、表現の自由、革命。
悪くない。
善悪で見る必要はないのだけど、
果たして、どれが自分の芯なのかが全くわからなくなってしまった映画だった。
そういう意味で映画から学ぶ事が多い。
キューバについての映画は、どれもこれも内容に興味がありすぎて、
作り手側から全く考えられない。
キューバ=my 興味ど真ん中。
この公式が成り立つものは、だめなのね。

もう一回時間をおいて、又観たいな。
そうしたら違う視点がみえて来るかもな。

私は好きだな。





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ジュリアン・シュナーベル監督
2000年 アメリカ

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id235960/
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夜になるまえに [2000年]

2000年の作品なのね。
もっと前なのかと思いきや10年前ですか。


こゆいキューバの画づくりと、こゆい男のストーリーだったなぁ。

少し面食らった部分もあった。
こんな遊びがあったのか?ということだ。

キューバといえば、革命、そして南米のパリと言われた避暑地での出来事が浮かぶ私の単細胞な頭。
その中に、いたんですね。ホモセクシャルの存在。
そして、作家として言論の自由を奪われて戦っていた若者。

映画から歴史をしることが多いです。

つまり、革命者側からのストーリーをみることが多くて、すべての庶民がそれを望んでいると
錯覚していたのだ。
争いを避け、自我から生まれる才能を開花させたくとも、国の弾圧があり言論の自由を奪われている事実を。

なるほどなるほど。
側面だけを見て判断してはいけないということだなぁ。

超簡単に言ってしまえば、ホモの作家が自由を求めてキューバからNYへ逃げるお話。
されど、そんな簡単なことではないことを教えてくれるのが、この映画だったのです。

さて、主役のハビエル・バルデムは、「ノーカントリー」にも出ていたり、
「食べて祈って恋をして」にもでていて最近ちょっと私の気になる人であるので、
この映画に出演してるのを見て驚きまして。
なんだか上手いんですね。
顔も分厚い感じなのですが、役もそうで、見ごたえあるのです。
ホモシーンも妙なリアル感があっていい。

はじまりのシーンもいいのだけど、終わりのなんとも言えない彼の瞳がまたいい。
人の一生とは、もちろん彼は濃い人生を送っているけれど、こんなものなんだなぁと痛感した。
痛感という言葉をあえて使ったのは、彼にとってのゴールがここではなくて、
もっと先だっただろうにと感じたからだ。

自分の人生は、痛感なのか、そうでないのか?

なんて、歴史の誤った認識と自分の人生観まで考えさせるんだから
この映画はいい映画なんだろうな。。。

もちろん、画的にも好きな映画でしたよ。



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2000年 アメリカ
ジュリアン・シュナーベル監督

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=22016
http://www.asmik-ace.com/Bnf/top.html


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